学会長挨拶
第81回関東農村医学会学術総会
学会長 井關 治和
(JA神奈川県厚生連 相模原協同病院)
第81回関東農村医学会学術総会の開催にあたり
第81回関東農村医学会学術総会を担当いたします相模原協同病院の井關です。総会の開催にあたりまして一言ご挨拶申し上げます。
2020年1月10日に相模原協同病院で新型コロナ日本国内第1例を診断・治療してから3年が過ぎました。当時は新興感染症として戦々恐々とした思いで対応していました。それから3年が過ぎ、新型コロナの実態がわかるにつれ人々も落ち着きを取り戻しつつあります。新型コロナも第5類に変更され、政府においてはこのパンデミックについての「出口戦略」が検討されています。しかし、加速的に世界の交通網が発達する中で「パンデミック」は今後頻繁に生じるのではないかと危惧しています。今後に向けて大切なことは、「アンテナ」を高くした危機管理であり、それができなければ国民は安心して経済活動を営むことができません。
このような危機管理は、何も新興感染症対策に限ったものではありません。医療のあらゆる領域で、常に正しい方向性を考え対処していかねばあっという間に取り残されてしまいます。現代の厳しい医療情勢の中でどのようにして病院が生き残るべきかという課題は各病院がいまだに試行錯誤している深刻なテーマです。また目前に迫った医師働き方改革の問題も待ったなしの状況です。これらの問題につきまして、学術総会を通して皆様方と議論する場をできるだけ設けたいと考えています。なるべく大勢のご意見を賜りたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
世の中も暗雲低迷している折ですので、本学会のポスターの背景に当院の写真を使用いたしました。当院は新型コロナの真最中に移転新築いたしました。新型コロナによる工期延長や移転直前の院内感染など最後まで苦労が絶えない中で移転いたしましたが、写真では青空に白亜の建物が映えており、新型コロナの混乱の中不死鳥の如く蘇った病院と感じております。この地に皆様の英知を結集して各厚生連病院に垂れ込む暗雲を一掃したいと願っておりますので多くの方のご参加を心よりお待ちしております。
令和5年3月吉日